憲法96条

 憲法改正議論が安倍総理はじめ政府内で盛んに論じられています。

 憲法99条で、

 『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。』

  となっており、日本国憲法を尊重し擁護する義務は、天皇や総理大臣に課しているにもかかわらず、総理大臣自らが「憲法がおかしい」とか「憲法を改正することを言い出したのは自分だ」などと、およそ立憲主義を否定しかねない発言が続いています。

 

 逢坂誠二氏のブログで是非広めてほしいという社説があるので私も引用掲載させていただきます。

 

以下引用・・・

 

憲法96条
河北新報の2月23日付社説が秀逸だ。
少し長くなるが紹介したい。
== 以下、引用 ==

スポーツで、試合のルールを自分に有利なように変更することは許されない。
例えば野球で、貧打に悩むチームが「三振」を「四振」に変えてくれと相手チームに持ち掛けても、通るはずがなかろう。
憲法改正手続きをめぐって、安倍晋三首相がルール変更の必要性を繰り返し主張している。
理由は「ハードルが高すぎる」。
最高権力者が簡単に緩和を口にするようでは、専横とのそしりは免れない。
何より、立憲主義に対する理解不足を疑われても仕方がない。
首相が改憲を志向することの是非は、あえて問わない。
だが、衆院選大勝の余勢を駆ってルール変更に動くことは無謀であり、国民的理解も得られない。
議論になっているのは、憲法改正手続きについて規定している96条。
改憲には衆参両院とも総員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、承認には「国民投票で過半数の賛成が必要」としている。
首相はかねて96条を問題視してきた。
衆院選前には「たった3分の1を超える国会議員の反対で、発議できないのはおかしい。
 そういう(改憲に消極的な)横柄な議員には退場してもらう選挙を行うべきだ」と述べた。
 発議に「3分の2以上」という特別多数を求めている点で、日本国憲法は「硬性憲法」といわれる。
自民党など改憲肯定派は、これを過半数という単純多数に引き下げることで、改憲に向けた環境整備を図ろうとしている。
「軟性憲法」化だ。
仙台市出身の憲法学者、樋口陽一東大名誉教授は
「憲法は権力を持っている人たちを縛り、持たない人の自由を確保するのが主眼」と述べている。
統治者を拘束する国の最高法規であるからこそ、発議要件は厳格に。
これが「硬性」に込められたメッセージだろう。
発議要件を過半数とした場合、確かに発議は容易になる。
だが、今度は政権交代があるたびに与党の意向でいとも簡単に改廃できるようになる。
「不磨」と同様、「朝令暮改」も憲法を害する行為であることを指摘しておきたい。
首相にとってのジレンマは96条を変えるにしても、差し当たりは現行の規定に沿って事を進めなければならないことだ。
つまり、衆参で3分の2以上の改憲勢力を確保する必要がある。
自民、公明両党は衆院で325議席を獲得。
数字上は可能だが、公明党は発議要件の緩和に慎重だ。
このため、改憲に前向きな日本維新の会などとの連携を視野に入れる。
焦点は参院だ。
自民党はことし夏の参院選で「ねじれ状態」の解消はもちろんのこと、民主党内にも一定数いる憲法改正派を糾合して、改憲を政治日程に載せる戦略を描いている。
であるなら、参院選を「憲法とは何か」という根底的な問いをめぐる
国民的議論の場としなければならない。
「横柄な議員」とは誰のことを言うのか、見極めるのは私たち国民である。

 

== 以上、引用終了 ==

この社説の指摘、極めて大切だ。
多くの皆さんに読んで頂きたい。

 

引用終り・・・

 

 企業などでも、規約や重要な事案に関わる議決には3分の2条項を定められています。

 しかも、憲法は国民が為政者に対して制限を課すためにあるものなのに、その制限を受ける最高責任者の総理大臣自らが、その制限が面倒だから自分の都合のいいように変えることを目指しているのです。

 もし、国防軍を持つことや、憲法擁護義務を国民に課すのであれば、国民合意を得て、堂々と3分の2の議決を得ればいいのではないか。

 

 このことをマスメディアも全く取り上げないことに疑念を感じざるを得ないものです。

 


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コメント: 1
  • #1

    菅原珠美 (月曜日, 08 4月 2013 09:02)

    タツ おはようございます!
    仕事の事で良い考えがあったら教えて欲しくてメールしました。東日本大震災から2年が過ぎ、遠い北海道からも何かできないかと考え、パソコンで関連ページを見ていたら「手紙プロジェクト」というのがあったんだわ。今も仮設住宅で暮らしている方に手紙を書いて交流するというもの。児童センターの来館児童に声を掛け、それができないかと思ったの。出来る事なら手紙を渡す人の顔が分かると良いかとも思います。もしかタツが震災にあった地方の方で繋がりのある方がいたらそんな事が可能か、可能な方がいたら紹介して欲しいと考えたんです。自分も子どもたちも日がたつうちに震災のことを忘れてしまいそうで何かしたいと思います。まだ出来るかどうか分からないんだけどね。でも何かしたい気持ちはあるんです。急ぎませんから何か良い案があったら教えてください!!それでは新年度頑張っていきましょう!!